『キングダムハーツ3』感想

ネタバレ注意です。

 

全体の評価としては良かったです。1や2ほどの完成度の高さはないですが、ダークシーカー編完結作としてやるべきことは果たしているのかなと。

 

 

まずシステム面ですが、これは文句なしにシリーズ中で一番好きでした。僕はあまりプレイイングが上手い方ではなく、アクションゲームなんかは連打しがちになってしまうんですが、本作はちょうど良いくらいの難易度でした。

ゲーマー内では2の戦闘が素晴らしいと言われるようですが、やり込むならあれぐらいあった方が良いでしょう。その点ではライトユーザー向けでした。爽快感と操作性重視といった印象です。

ただ、敵が弱すぎる感じはしました。他シリーズの難易度が高かったので、こんなに柔らかくていいの? とかパターン少ないな、という感じはあります。

 

 

次にグラフィックス。これも文句なしです。ハードの進化をしっかりと感じさせる答えを提示してくれています。

 

 

ついでボリューム。グラフィックスと合わせ、ディズニーの世界を存分に楽しめました。

しかし、ストーリーの話も絡んできますが、各ワールドのボリュームがやや多すぎたのではないかと。特にアレンデールなんかはまだ続くのかと思ってしまいました。

これはワールドの物語が単調であるということも関連していると思います。映画で見知った場所を歩き回ったり、聞き馴染みのあるセリフが流れるムービーなどは楽しめますが、ⅩⅢ機関が何をやりたいのか全くわからない上に似たようなやりとりばかり繰り返されるのはやや辛いです。

ただ、いわゆるノムリッシュ的展開はこれまでにも多用されてきたので、それ自体に不満があるというよりはもっとテンポよくストーリー展開していくと良かったと感じました。

大型モンスター戦が多かったのも疲れる原因のひとつだったと思います。

 

 

ストーリー。ボリュームの話と重なりますが、各ワールドをコンパクトにしてメインストーリーをもっと広げてほしかったですね。

例えばカイリが序盤は空気でソラと一切絡んでこないことだったり。パオプの実イベントが後に出てくるので、もう少し出番を与えた方が良かった気がします。

もっと他キャラ操作がしたかったという意見に僕も賛成なのですが、シオン・ロクサスの唐突かつ雑な復活描写も、カイリと同じく空気だったアクセルに焦点を当ててロクサス復活のためにトワイライトタウンを探索させたりその道中シオンの(358の)回想や思い出話を挟んだりすることでもっと違うアプローチができたのではないでしょうか。アクセルは人気も高いですし、操作できるとなれば満足度もかなり上がるはずです。

アクアとヴェン・テラはミッキーとリクの視点から割と丁寧に描かれていたのでアクアの帰還、ヴェンの目覚め、テラの復活とどれもそれなりのカタルシスがありました。アクアは前日譚の0.2もあるのでBBS組は恵まれてると言ってもいいくらいです。358組はタメが少なすぎて、個人としては358組が一番好きなので残念な気持ちが強いです。

リクがアクアの代役(探索役、BBS組代表)だったので、358組の物語を深める役としてアクセルを立たせるべきだったと思います。ソラと合わせて三主人公でいけば収まりが良かった。

 

賛否両論分かれるⅩⅢ機関ラッシュですが、これももう少しやりようがあったと思います。僕は倒す順番を気にしていたので違和感はそれほど感じずに済みましたが、あれだと場合によっては情緒がぶち壊しになりかねないです。申し訳ないけれどマールーシャら下っ端機関員はムービー等で早々に退場させておき、特にテラ、シオン・ロクサス復活はじっくりと物語に没入できるような流れにするべきでしょう。ラクシーヌ好きなんで彼女の最期のシーンはグッときましたが。

 

改心しすぎが寒いとも言われる墓場連戦ですが、ゼムナスに関しては同意せざるを得ないですね。もっとかっこよく散ってもらいたかった。

アンセムの最期はすごく好きです。これはシリーズファンなら納得ではないでしょうか。どう見ても1以降アンセムはリクの保護者だったので、ああいう言葉を残してくれるのは良かったです。

若ノートはそもそも側近クラスなことに若干疑問なんですが、散り際もイマイチな感じです。思い入れがない。

 

ゼアノートとの決着は予想してた形ではありませんでしたが、プロローグからきちんと積み重ねはあったので違和感はありませんでした。やはりそういう意味で積み重ねは大切なので、各ワールドを削っても358組の話をするべきだった。

 

という感じなのでストーリーの大きな不満は358組ですね。他はまとめるところはまとめてて良かったと思います。

 

 

僕が1と2でやっぱりすごいなと思うのは、1はソラ→カイリ・リクからカイリ・リク→ソラに入れ替わる物語、そして2は三人の願いが叶ってソラ・カイリ・リクが一緒になる物語(ソラ→←カイリ・リク)と、非常に美しいプロットになっているところです。追うものが追われるものへ、待つものが待たされる者へという構図の逆転が綺麗です。

また2では、闇堕ちライバルキャラが改心したその後、というのもなかなか見る機会のない話なのでリク個人の物語としても面白いです。

 

この点3はナンバリング組と358組、BBS組の三つの物語が錯綜するため綺麗なプロットには収められないのでもっと工夫が必要だったと感じます。

繰り返しになりますが、アクア、BBS組はきちんと掘り下げられていてよかったのですが、358組はノータッチだったのでもう少し練ってほしかった気持ちはあります。

 

 

総合評価としては上です。ゲームは楽しかったですし、ストーリーも大まかには納得です。ソラたちの今後が非常に気になるところではありますが。

ユニオンクロス系の話は今後も続くようなので、いつになるかはわかりませんが気長に待とうと思います。

 

 

キングダム ハーツIII - PS4